おち夢クリニック名古屋

フェマーラ併用(低刺激)自然周期

【フェマーラ併用自然周期とは……フェマーラと最小限の排卵誘発剤で卵胞の成長を促します】

フェマーラ併用(低刺激)自然周期体外受精は、フェマーラ(アロマターゼ阻害剤)のほかに、微量のクロミフェン、少量のリコンビナントFSH注射を使用して、育ってくる卵胞から採卵をし、それを受精させて得られた受精卵(胚)を、一旦、すべて凍結保存したのち、子宮内膜が良好な周期に1つずつ融解して移植する方法です。小卵胞を含む全卵胞採卵により、複数の成熟卵子の回収が期待できます。

この方法でも、からだに負担をかけることなく、そして医療による手助けを過剰に行わない、より自然に近い方法で妊娠を目指します。

【なぜフェマーラ併用自然周期なのか……PCOに効果的で、複数の成熟卵の回収が期待できます】

フェマーラは、卵胞での女性ホルモン産生を阻害する働きがあり(女性ホルモン合成阻害剤)、この結果、卵胞のホルモンの感受性が亢進し、少量のFSHでも発育を続けるようになります。しかし、フェマーラ自身には卵巣刺激作用がありませんから、発育する卵胞数が増加することはありません。この点は完全自然周期とほとんど同じです。

異なる点は、FSHが低い人でも卵胞が発育し、排卵に至るということです。たとえば、多のう胞性卵巣(PCO)などはその典型例です。PCOでは小卵胞が多すぎるためにホルモンのバランスが崩れ、LHが高くFSHが低くなっているからです。

また、FSH感受性が良くなることで、これまでは発育しなかった4~5㎜くらいの小さな卵胞からも成熟した卵子が採取できるようになります。フェマーラ併用自然周期では、採取卵子数が増加するとともに、その中の成熟卵子の割合も増加します。このためフェマーラ併用自然周期では、移植可能となる胚の数が増加することになります。

【フェマーラを使う周期は……赤ちゃんへの安全性を最大限考慮】

フェマーラ周期の欠点は、フェマーラが適応外処方であるという点です。フェマーラは閉経後の乳がんの治療薬として販売されています。したがって、胎児に対する影響は検討されていませんから、安全性に最大限配慮する必要があります。

そこで当クリニックでは、内服量と内服期間の点から安全性に配慮し、フェマーラの服用は月経3日目からの3日間のみとしています。この飲み方では、半減期的に月経12日以降にフェマーラが体内に残存することはないからです。つまり排卵期の卵子は、フェマーラの影響を受けないということです。

さらに、フェマーラを使用した周期では、フェマーラの飲み終わりから12日以上経過していない場合は胚移植を行わず、一旦、凍結保存したのち、フェマーラの影響がない、翌周期以降の自然周期に移植します。

【微量のクロミフェンの効果……採卵前に排卵してしまう事態を回避】

なお、フェマーラ単独自然周期は、女性ホルモンの変化を予想しにくいために、採卵前に排卵済になってしまうことが多いという欠点があります。これに対して当クリニックは、微量クロミフェン(通常100mgに対して12.5mg~25mg)という独自の方法により排卵を防いでいます。クロミフェンは女性ホルモンの競合阻害剤です。脳や卵胞や様々なところで、女性ホルモンの作用を阻害します。この作用は、排卵の引き金、すなわち女性ホルモンの増加を隠すことになり、飲み方を工夫すれば排卵を抑制することになります。

クロミフェンの欠点は中小の卵胞の発生と排卵障害により卵胞が次周期に遺残することですが、この微量クロミフェン法では完全自然周期同様、主席卵胞は1個しか成長しません。全ての卵胞はその周期で寿命を終え、遺残卵胞が発生することはありません。したがって、連続した周期でも採卵することができ、良好卵子が期待できます。

【通院スケジュール】

通院スケジュール(フェマーラ併用自然周期)

月経2、3日目

月経2、3日目は診察の基本です。卵胞(卵子を入れている袋/月経3日目で径約5mm)数、FSH(卵胞刺激ホルモン)、AMH(抗ミューラー管ホルモン/卵胞数のホルモン的指標、当院ではpM単位)、の計測、前周期の遺残卵胞がないかなど、その周期の基本情報を確認します。フェマーラ併用(低刺激)自然周期の場合は、月経3日目から3日間のみフェマーラを服用します。

月経6日目以降

FSH値が、卵胞が一番よく育つ10~15にコントロールしながら、最小限のリコンビナントFSH注射(37.5~75IU)を投与し、卵胞の成長を促します。リコンビナントFSH注射の間隔、投与量、診察のタイミングなどは、お一人おひとり異なります。
また、月経8日目から8日間、微量クロミフェン(12.5mg:4分の1錠~25mg:2分の1錠)を投与します。

採卵日の決定(予定採卵)と準備

数回の診察の後、女性ホルモン値と主席卵胞の大きさが最適になったら、採卵日を決定します。通常は女性ホルモンが250程度に達すると採卵の準備に入ります。排卵を促す脳ホルモン(LH:黄体化ホルモン)が上昇していない場合は、ブセレキュア(GnRHアゴニスト)という点鼻薬を用いて人工的に上昇させ、2日後の午前中に採卵します(予定採卵)。しかしLHが予想より早く上昇してしまった人は自然の成り行きに従って、当日または翌日の排卵直前に採卵します(緊急採卵)。

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